AI時代の働き方読了 約3分

AI時代に生き残るエンジニアは何が違うのか。淘汰される側との分かれ目

生成AIがコードを書けるようになって、エンジニアの仕事は本当に減るのか。実際に何が置き換わって何が残るのかを整理し、これから価値が上がる側に回るために必要なことをまとめました。

AI時代に生き残るエンジニアは何が違うのか。淘汰される側との分かれ目
目次

「AIがコードを書けるなら、エンジニアはいらなくなるのでは」——この不安は、実務経験がある人ほど強く持っています。実際、以前なら30分かかっていた実装が数分で終わる場面は日常になりました。

ただ、現場で起きている変化をよく見ると、なくなっているのは「エンジニアの仕事」ではなく「実装という作業」だけです。そして、この2つを区別できているかどうかが、そのまま分かれ目になっています。

実際に置き換わったもの、置き換わっていないもの

置き換わったのは、答えが決まっている作業です。

  • 仕様が確定している画面の実装
  • よくあるエラーの調べもの
  • 定型的なリファクタリングやテストの雛形

一方で、ほとんど置き換わっていない領域があります。

  • 何を作るべきかを決めること
  • どの設計を採るべきかを判断すること
  • 出てきたものが正しいかを検証すること

この3つはいずれも「正解が事前に決まっていない」種類の仕事です。AIは大量の選択肢を提示できますが、そのなかから状況に合ったものを選ぶ責任は持てません。

「AIに聞けばいい」が成立しない理由

よく言われる反論に「分からなければAIに聞けばいい」があります。これは半分正しく、半分間違っています。

AIの出力が正しいかどうかを判断できる人にとっては、これは正しい。生産性が何倍にもなります。

問題は、判断できない場合です。AIは自信のある口調で間違ったコードを出します。動いてはいるが設計として破綻している、というパターンも普通に出てきます。それを見抜けないと、

  • 動いたのでマージする
  • 数ヶ月後、誰も触れないコードになる
  • 直せないので、また同じAIに聞く

という流れになります。この状態は、生産性が上がっているように見えて、実際には負債を高速に積んでいるだけです。

つまり、AIを使いこなすには「AIが出したものを評価できる土台」が先に必要になります。土台がない人ほどAIに依存し、依存するほど土台が育たない。この構造が、差を急速に広げています。

作業台で閉じたノートPCに手を置いたまま止まっている手元。脇に工具と削りかす

価値が上がる側に回るために必要な3つ

1. 要件を疑える

「この機能は本当に必要か」「この条件のとき、どちらの挙動が正しいか」を自分で問える力です。AIは渡された前提を疑いません。前提の妥当性を見るのは人間の仕事のままです。

2. 設計の選択肢を2つ以上持てる

AIが出した実装に対して「この書き方だとこういう変更に弱い」と言えるかどうか。そのためには、少なくとも別の書き方を1つ知っている必要があります。選択肢が1つしかない人は、比較ができないので判断もできません。

3. 動いたコードを疑える

「動いている」は「正しい」ではありません。エッジケース、パフォーマンス、あとから変更する人の負担。ここを見る習慣がある人だけが、AIの出力を安全に使えます。

結局、求められる力は昔から変わっていない

3つ挙げましたが、どれも生成AIが出てきてから新しく生まれた能力ではありません。もともと「設計ができるエンジニア」が持っていた力です。

変わったのは、その力を持っているかどうかの差が、成果に出るまでの速度です。以前は実装の速さでもある程度カバーできましたが、実装の速さがAIで平準化された結果、判断力の差だけが残るようになりました。

言い換えると、AI時代に淘汰されるのは「AIを使わない人」ではなく、AIの出力を評価できない人です。そしてこれは、エンジニアの市場価値を上げる方法「自走できるエンジニア」とは何か で書いた話と、まったく同じことを指しています。

今から何をするか

いちばん効くのは、AIを使うのをやめることではなく、AIが出したものに必ず一言コメントを付けることです。

  • なぜこの実装で問題ないと判断したのか
  • どこが気になったので直したのか
  • 別の書き方だとどうなるか

これを毎回やると、AIを使いながら判断力が育ちます。使わない人より速く、考えずに使う人より深くなる。この差は、半年もすればはっきり出ます。

JISOU は、この「判断できる状態」になるまでを現役エンジニアが伴走する、経験者専門のプログラミングスクールです。

JISOU編集部

JISOUは現役エンジニアのスキルアップを専門とするプログラミングスクールです。記事は実際に現場で開発しているメンバーが執筆・監修しています。